前回に引き続いて
手島将彦さんとの対談になります!
前回記事↓↓↓
手島将彦(てしま・まさひこ)
鹿児島県出身。出生地は大分県日田市。
早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。
ミュージシャンとして数作品発表後、
音楽事務所にて音楽制作、マネジメント・スタッフを経て、専門学校ミューズ音楽院・新人開発室、ミュージック・ビジネス専攻講師を担当。
LOST IN TIME(UK PROJECT)藍坊主(TOY’S FACTORY)school food punishment(EPIC)など多数のアーティスト輩出に関わる。
また2000年~2006年頃まで、主に渋谷屋根裏でマンスリー・ライブイベント
「WONDER MISSILE」を開催。
上記のミューズ音楽院関連のバンド以外に、観客5~6人時代の10-FEET、凛として時雨、avengers in sci-fi、野狐禅
(竹原ピストル)、などが出演。
2016年に『なぜアーティストは生きづらいのか?』を本田秀夫氏との共著で発表。
アマゾン音楽一般カテゴリで1位獲得。
保育士資格、
産業カウンセラー資格保持者でもある。

なぜアーティストは生きづらいのか? 個性的すぎる才能の活かし方
- 作者: 本田秀夫,手島将彦
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2016/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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更新遅れちゃってすみません!
この記事から読んでも
なんとなく分かると思います。
それではどうぞ〜。
↓↓↓
手島 あと、このEveくんの他に注目のアーティストはいます?
律 バルーン。
須田景凪(すだけいな)ですかね。
手島 仕事的にランキングは見るので、
ボカロランキングだと上位にいる
なっていうくらいの認識はあるんですが。
手島 ここ数年、「絵」として
こういう感じの流行ってますよね。
最近 若い人から貰うCD-Rとかのジャケットのデザインがすごく手書きな感じのが多いんですよ。
ちょっと前まできちんとデザインされたもの が多かった気がするんです。美大とか行ってる友だちに作ってもらいました、みたいな。今だと、手作り感があるものの方が受けるんですかね?
律 まあ、同人っぽいとか、
そういう方が応援したくなるというか。
手島 応援したくなるっていうのは今の若い人にはひとつキーワードなんですか?
律 そうでしょうね。なんか、「推しのためなら死ねる」みたいな人いっぱいいるじゃないですか(笑)どんな世界にしても。「生誕祭あるからシャンパン何本でも空けます!生活破綻してもいいから」みたいな。
手島 昔から、そういう熱烈なファンていうのはいるんだけど、プロフェッショナルな人にはまってるというよりは、もうちょっと身近なものにはまってるっていうかんじですか?
律 そうですね。
それは、化粧品店が広告打つよりYouTuberがおすすめする方が売れる、とか。
身近な友だちに
勧めてもらった方が買う、とか。
で、チープさが
身近さを感じさせるわけですよ。「コイツ、私とあんまり変わらない生活してるな」とか
「こいつそんなに美人じゃねえな」
みたいな感じとか。
手島 そういう方が良いんですか?
律 YouTuberの化粧動画とかでも美人がやってたら多分人気でないですよね。
「コイツは元がええやん」って。
自分より下のレベルの人が可愛く化けたら「これあたしでもイケるわ」って熱心に見るわけです。
これは音楽とはちょっと違うか。笑
でもあんま可愛くない格好良くないむしろブ…くらいのほうが応援したくなるロジックはありますね。手が届きそうだから。
今だとSHISHAMOが多分1番
これ使いこなして売れまくってますよね。
SNSでもかまってくれそう!上手く行けば知り合いになれそう!
付き合えそう!みたいな「ワンチャン感」も出るわけです。
これは男だろうが女だろうがバンドだろうが
歌い手だろうがアイドルだろうが使える。
ああ。。これで記事1本かけそう。。笑
手島 なるほどねえ。ボカロってそもそも
同人みたいな世界でしたからね。で、これはなにゆえあげてみたんですか?
律 まあ、バーンと売れて。
バルーンさんもこの後、須田景凪名義
で出てくるわけなんですけど。
本人名義デビューしますよーって
プッシュしてた『アマドール』という曲。
これがそれほどは
再生回数が伸びなかった。
手島 歌い手的な活動はしてるんですか?
律 それはしてないですね。
基本はボカロPで、アルバムにちょこっと
セルフカバーしてるくらいです。
手島 で、だんだん
本人歌唱が増えてきた、と。
律 満を持して、みたいな感じですね。
ただ、これもMVみてると
「おやおや?」と思うやつですね。
手島 まあ、米津ですね。(笑)
手島 で、これが売れている、と。
律 どうなんですかね、須田景凪ソロは
そこまでではないと思います。
手島 バルーン名義の方が
売れている感じですか?
律 再生回数が全然違いますからね。
僕はむしろ同じアルバムの曲なら
『 レド 』って曲の方が
好きなんです。
手島 こっちの方が
好きな理由ってなんなんですか?
律 うーん。こっちの方が求められてる音だからですかね。『シャルル』のひとだと思って『アマドール』聴いたら、
あれっ?てなる人多いんじゃないですかね。
この人は速くてキーが高くて、みたいなのを求められていて。
手島 なるほどね。さっきの話にもつながるのかもしれないけれど、今の人たちは楽曲で選んでるんだとすると、期待したものが出てこないと「なんだよ」ってなっちゃうんだ。
律 とにかくBPM(テンポ)速くしろよ、みたいな(笑)
手島 あと、ボカロの人には多いですけど、メロディの極端な跳躍とかね。
律 急に音程が
上がり下がりするやつですね。
手島 あと、あれですか、これもさっき話に出てた「最近米津さん、こういうのやらなくなったからなあ」という隙間に刺さるかんじですか。
律 須田さんが米津2ndAlbumのYANKEEで
Eveくんが米津1stのdioramaみたいな(笑)
手島 なるほどね(笑)。
これたぶん、詳しくない人に
「米津だよ」って 聴かせたら
「あ、そうなんだ」ってなりそう。
律 個人的にはEveよりも須田景凪の方が
好きですね。完成度高いし。
Eveの方がちょっと拙いというか幼いというか。だから逆に10代にうけるのかなとも思います。「あの子シークレット」とかまさに
「あ、歌い手が作りそう」ってMVで。
手島 あー、なるほどね(笑)
律 クラスで人気のあの娘と目つきの悪いパッとしないこの僕がもしも付き合うことが
出来たならみたいな定番の世界観。
手島 いつのころからか、
映像ありきではありますからね〜。
律 で、これとさっきの
『ドラマツルギー』が
同じアルバムに入ってますからね。
手島 そうなんだ。
全然違う世界観のものですけどね。
律 でも、目を瞑って歌詞を聴かなきゃ、
まあ同じ感じのサウンドです。
手島 なるほどね。
アルバムっていうよりは
シングル集って感じですかね。
律 そうですね。アルバムチックにしようとオープニング曲とエンディング曲も作られてるんですけど、でも、そういう感じ。
案外シングルっぽい曲じゃない方が
良かったりするんですよ。
「あれ、こっちの方が
素直に歌ってて良いな」
みたいなのがある。
受けるようにやってる感じが
なかったりして。使い分けてるのかな。
イラストを元にしたアパレルもやってるみたいだから、賢い人なんでしょうね。
手島 まあ、なんにせよ
こういうのがウケている、と。
律 そうですね。あとは個人的には
「もういいよ、病んでるごっこは」とも
思いますけどね 笑
「お前等そんなに病んでないだろ、
もう疲れたよ俺は、」という気もする(笑)
「こっちとらガチで
通院歴10年のベテランなんだよ、」と。笑
手島(笑)「病んでる感」がうける、と。
律 最近のボカロ曲とかそんなのばっかしですよ。例えば『命に嫌われている。』ってのが人気なんですけど。
手島『命に嫌われている。』?
律 思いっきりamazarashiですね。
手島 『命に嫌われている。』も聴いてみましょう。
手島 なるほどね、こういうのが
一番コメントに困るやつだな。
律 そうなんですか?
手島 まあ、
どっちに転んでも
(否定しても肯定しても)
きっと怒る人いるんだろうなあ、って。
これを良いよねって言うのも
ちょっと違う気もするけど
否定すると矢が飛んでくるのが想像つく。
律 こういうのがウケてるんですよ。
手島 吉田君的にはこれは
ちょっとどうかな〜って感じなわけですね。
律 そうですね。こういう曲は本当に作曲者が苦しんで作ってるかビジネスとしての
鬱ごっこなのか出やすいと思うので。
amazarashiの劣化ツギハギなんですよ。影響を受けたとかならわかるけど
どの曲の歌詞から取ったか言えるレベル。
「軽々しく」とか「ファッション」「簡単に」とか
フレーズが出る度「この歌そのものじゃん。。」と思ってしまう。
これを聴いてもとくに生活は変わらず、
聴き終わったら普通に今まで通り
誰かハブったりシカトしたり苛めたりするんだろうなあって思うんですよね。
。
「いいね!」と「共感しました!」は沢山集まるのが容易に想像出来る。
そしてファッションメンヘラが増えてゆく。。
amazarashiくらい説得力ないと暗いテーマは逆効果です。
...
話してるとこの手の流行には結構苛立ってるんだなと。笑
手島 なんか、SNSで流されずに立ち止まってもらうために、命とか自殺とかそういう
大事なテーマを安易に消費してるという感じは
あるかもしれないですね。
律 一瞬衝撃を与えるためですね。でも
真面目にテーマに向き合ってる作品ほど
ほとんどの人は重いって避けて聴かれない
し売れない。ビジネス鬱、ファッション鬱も音楽シーンのキーワードかもしれません。
好きな曲を貼って終わりとします。
毒のある歌詞が素晴らしい。
PS.吉田律、歌ってみた動画を
YouTubeにアップしてしています。
今回はバルーン(須田景凪)のカバー。
聴いてみてください。
吉田律のYouTube 🌟歌ってみた動画、オリジナル曲など!!!きいてみて!!!!
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https://www.youtube.com/user/munemasayoshida/videos?view_as=subscriber
吉田律🌟ツイッターアカウント
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